脊椎班
私どもが扱っている疾患は多岐にわたっており、頚椎から腰椎まで脊椎のすべての領域、またほぼ全ての脊椎・脊髄疾患(変性疾患、腫瘍、側弯症など)に対応しております。代表的な疾患の概略について呈示します。
頚椎疾患
上肢の疼痛や手足のしびれ、筋力低下や手の使いづらさ、歩行障害などが認められます。また排尿障害が生じることもあります。これらの症状は、脳疾患(脳梗塞、パーキンソン病など)、糖尿病、筋・神経疾患などでも生じることがあり、レントゲン、CT、MRI検査などを行い判断します。場合によっては神経内科、脳神経外科、ペインクリニックと連携して治療を行う場合もあります。
頚椎椎間板ヘルニア
椎間板が脊柱管内に突出し脊髄や神経の枝を圧迫する疾患です。頚部痛に加えて、片側上肢の痛みやしびれ、感覚障害、筋力低下(脱力)などの症状が出現します。首を後屈する(後ろにそらす)と症状が増強することがあります。
一般的に、数週間から数ヶ月で症状が軽減されることが多いので、治療は痛みやしびれを緩和する薬物療法や頚椎牽引などの理学療法、頚椎装具などを行います。
症状が強い場合は、点滴治療やブロック療法を行うこともあります。保存治療で効果が得られない場合には手術が必要となります。
椎間板ヘルニアを認める頚椎症性脊髄症
椎間板、頚椎(骨)、靭帯などの変性(加齢変化)によって脊柱管が狭くなり、脊髄が圧迫される疾患です。手足のしびれ、手指の動きがぎこちない(箸の使いづらさやボタンがかけづらい)、歩行障害(早く歩きづらい、転びやすい)などの症状が出現します。
保存治療が無効であることが多く、症状が進行するようであれば手術治療を検討する必要があります。
頚椎症性脊髄症/MRI頚椎後縦靭帯骨化症
椎体の後方の靭帯が骨化し脊柱管を狭窄する疾患です。アジア人に多く、日本では1975年に厚生省の特定疾患に指定されました。
後縦靭帯骨化症の発生に遺伝的背景が関与していると考えられていますが、靭帯が骨化する原因はわかっていません。症状や治療法など大部分が頚椎症性脊髄症と共通します。
手術治療が必要となった場合には、疾患に応じて手術方法を選択しております。頚椎の手術としては、主には椎弓形成術(わが国で開発された術式)や変形、不安定性が強い場合などはインプラントを併用して手術を行い、良好な成績を認めております。
CT画像/靭帯骨化腰椎疾患
腰痛、下肢痛、下肢のしびれ、脱力などの症状が認められます。
腰椎椎間板ヘルニア
椎体(骨)の間にある椎間板の線維輪に変性・断裂が生じ、髄核が突出した状態(ヘルニア)となり、突出した髄核により神経が圧迫されることにより症状が惹起されます。通常は保存治療で軽快することが多く、消炎鎮痛剤の投与や、仙骨硬膜外ブロックなどの保存治療を行っています。症状が残存する場合や麻痺が進行する場合には手術治療を考慮します。当院では症例に応じて内視鏡手術も行っております。
腰椎椎間板ヘルニア腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症は、神経の通り道である脊柱管が加齢変化によって狭くなり神経が圧迫されるために起こる疾患です。下肢の痺れや痛み、麻痺などの症状のほかに、間欠跛行(歩行をしていると徐々に症状が増悪し、歩行が困難になること)といった症状も出現します。神経の血流を改善させる内服薬や、消炎鎮痛剤の投与、仙骨硬膜外ブロックを行います。保存治療によって、症状が改善しない場合には、神経の徐圧術が必要になります。
腰部脊柱管狭窄症腰椎(変性・分離)すべり症
すべり症は加齢に伴い生じる事が多く、そのようなすべり症を変性すべり症といいます。すべり症の症状・治療はほぼ腰部脊柱管狭窄症の症状と同じですが、すべり症では脊椎が不安定となっていることが多く、手術の場合には脊椎固定術が選択されることが多くなります。
腰椎(変性・分離)すべり症側弯症
脊柱側弯症は回旋変形を伴う脊柱側方弯曲で、姿勢を正しても脊柱変形は消失しません。両脇線の左右非対称性、両肩や両肩甲骨の高さの左右差、また肋骨隆起や腰部隆起を認めれば側弯症の可能性が高いと言えます(図1)。
最も多いのは特発性側弯症(原因が解明されていない)といわれるもので、思春期側弯症は10歳以降に発症し、女子に多いと言われています。
そのほか先天性側弯症、脊髄空洞症などの神経原性側弯症、筋ジストロフィーなどの筋原性側弯症、レックリングハウゼン氏病、マルファン症候群や代謝異常に伴う側弯症なども存在します。
多くは、早い時期に発見して治療を受ければ、進行を止められます。
しかし、痛みなどの自覚症状がほとんどないので、発見が遅くなりがちです。側弯症では脊柱の弯曲が進行してしまうと、元には戻りません。したがって、弯曲が進行する前に診断し、早期に治療を開始することが大切です。
思春期に30゜以上になった場合には進行する確率が75%、40゜以上であれば進行する確率が95%と言われています。

【図1】
治療
具体的には、コブ角(弯曲)が25度〜40度の変形では装具療法が主体となります。当科では積極的に装具療法を行っており、数多くの経験から、出来るだけ装着しやすい装具になるよう工夫しております(図2)。
年齢や骨成熟度、進行のスピードなど考慮して総合的に判断する必要がありますが、コブ角が40−45度以上になると手術療法が必要になります。最近では手術法の進歩により、かなり良好な矯正が得られるようになっております(図3)。

【図3】

【図2】
また、画像診断の進歩やコンピューター支援手術の導入などにより、手術の安全性も向上しております。当院では、手術中にCTが撮影できるreal-time CT装置(Artis zeego/Siemens社製)が日本で最初に導入されました(図4)。
側弯症手術の際にも、状況に応じてこの装置を利用したコンピューター支援手術を行い、安全な手術を心がけております。

【図4】術中real-time CT装置
附属病院(本院)専門外来
- 側弯症外来
脊椎外来 - 月曜日 午後1時30分〜
水曜日 午後1時00分〜
診療スタッフ
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曽雌茂 診療医長 | (昭和60年 慈恵医大卒)
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木田吉城 診療医員 | (平成10年 慈恵医大卒)
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橋本蔵人 診療医員 | (平成15年 慈恵医大卒)
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初診の方は、かかりつけ医療機関に紹介状の作成とFAX予約をご依頼いただくとスムーズな受診が可能となります。
なお、再診に関しましては予約制となっております。




